Day20 : 六本木へ
Day20。
今日は朝イチのキャンセル待ちで10時からの乗車をゲット。やはり平日の朝が狙い目なのだとわかる。
本日の教官の先生は、学科で感動の授業をしてくださったエド・はるみ先生!再会できて私はうれしい。個人指導していただけるなんて光栄です。
カルテを見てはるみ先生はすぐにイレギュラー点に気づく。
「今日でちょうど10時間目の乗車ですね。狭路走行が5時間目ですが、苦手でいらっしゃいますか?」と聞かれる。もっともな疑問。
「いいえ、実は狭路走行はまだS字1回とクランク1回しかやっていないんです。というのも、最初のウォーミングアップの外周・内周走行で課題が多くありまして、ほとんどの時間が狭路走行までたどり着かずに教習の50分が終了してしまう、というのが直近の5時間なんです。」と答える。
するとはるみ先生は、「わかりました。それでは今日は何としても狭路進行までクリアしましょう。ではまず、ウォーミングアップに内周外周周りましょう」と言って、ドライブスタート。
外周を1周したところはるみ先生は、「困りました。この速度では検定試験に通りません。低速も減点の対象になります。それでは本日の作戦を立てましょう」という。
はるみ先生の作戦は「すべての直線は時速30キロを出し、カーブは直前でスピードを落としてから、10キロ以上で曲がる」ということ。内心でそんなシンプルなことかい、と思いながら言われた通りに1周してみる。
と、不思議なことにカーブでのハンドル切りすぎ/少なすぎによるふらつきがなくなり、これまでで一番スムーズにコースを1周できた。これはどういうことか。
「速度が遅すぎる状態でカーブを曲がろうとすると、ハンドル操作をしてもタイヤは思ったようには反応して曲がってくれません。ある程度スピードに乗っているとタイヤの反応もいいんです。」と教えてくれる。なるほど、そういうことか。ありがとうはるみ先生。
その後はるみメソッドで内・外一周づつ走ると、これまで恐怖心がウソのようにスムーズに走れる。「本当に苦手でいらっしゃいますか?とてもお上手ですよ。」なんてニクいことを言ってくれる。大好きだ、はるみ先生。
そしてやっとメインの狭路走行へ。おもしろいことに、S字もクランクも一発でスルッと通れた。これはどうしたことか。先生は「とてもお上手ですよ。得意でいらっしゃるんでしょうかね。」という。
いや、そんなはずはない。単なるビギナーズラックだ。第一なぜこんなにスルッと行くのか自分の頭で理解が追いつかない。先生に「すみません。うまく通り抜けられたのですが、自分では全く理解・納得して動かしているわけではないんです。」と正直に言う。すると「わかりました。それではそれぞれの注意しなければいけない点だけ、私からお伝えしますので一緒に見ていきましょう。」と言ってポイント解説をしてくれる。
そのあと時間が許す限りコース内3箇所に設けられた狭路ポイントを走るがどれも驚くほどスムーズにできる。これはきっとエド・はるみマジックだ。
はるみ先生との教習は充実していたからか、あっという間に終わってしまった。凹みかけていた運転スピリットが少し立ち直ってきた。
今日の午後は前々職でお世話になった先輩と六本木で会う約束をしている。自宅マンションが六本木の泉ガーデンのすぐそばにある。最近育休から復帰したばかりで、まだ隔日で慣らし保育の最中で今日はお休みの日なのだそう。ママになった先輩とベイビーに会いに行く。
先輩とは約1年ぶりの再会。最後に会った時はまだベイビーがお腹にいた。泉ガーデンにある、ベビーカーも入れる広めのカフェで待ち合わせをする。2人でオンタイムに到着し再会を喜ぶ。ベイビー君もはじめまして。
キッシュプレートのランチを食べながら、ここ1年の出来事をキャッチアップする。新米ママのこの1年は身の回りでとんでもなくたくさんの新しい出来事や劇的な変化が起こっている。それに比べたら私の1年なんて”誤差”みたいなもんだ。私がトロトロしてる間にすっかりママが出来上がっている。
ベイビー君は最初はお人形のようにおとなしくしていたが、30分くらいするとだんだんと本調子が出てきたのか、ベビーカーからテーブルを蹴ってピューっとバックスライドしたり、急に「うぉー!」と叫んだりする。すかさずママがビスケットを取り出すと開封する前から興奮してかぶりつく。
ランチを食べ終わったあと、外は寒かったのでベイビー君が暴れても大丈夫なように先輩のお家に行くことにした。泉ガーデンのすぐそばで、マンションの裏手には東京タワーがドン!とそびえるセレブロケーション。
先輩宅にお邪魔して、先輩がお茶やら何やら支度してくれている間にベイビー君とレゴで遊ぶ。今のベイビー君のお気に入りは、なんでも「はいどーぞ」と渡すことらしい。「はいどーぞ」「ありがとう」を50回くらい繰り返す。
そのルーティンに飽きると今度はレゴブロックを縦に高く積んでいく。ひとつ高く積むごとにこちらをチラッと見てドヤ顔をする。かわいい。
お茶が入ってテーブルに着くと、ベイビー君が私が座ったソファによじ登ってくる。ベイビー君の手がテーブルに伸びてくるたびに、ママが反射的にマグカップとティーポットを手でブロックする。ママと私がおしゃべりに夢中になると、「あそんでー」という感じでベイビー君が人差し指を私の鼻の穴に突っ込んでくる。ママ曰く、こんなに短時間で泣かずになついた客人は私が初めてらしい。ちょっと手荒いウェルカムだけど。
ベイビー君が静かになる奥の手のポテトチップをママが出す。けっこう堅揚げのしっかりしたチップスだけど、バリバリ音を立てて食べている。途中で食べるのも飽きたのか、今度は私の口にポテトチップスを近づけてきて”あ〜ん”とやってくる。「ありがと〜」と言って食べる。するとまた”あ〜ん”と来る。しかもけっこう力は強め、チップスは固めだから、口から的が外れると唇とか鼻に割れて鋭利になったチップスがブスブス刺さってくる。ベイビー君はこれが気に入ったのか、結局私はこの”あ〜ん”で、ポテトチップスを20枚くらい食べた。もうお腹いっぱい。ダイエット中なのに。
ミルクを飲む姿がこれまたかわいい。息を整えるたびに「うぉーい」と言う。ビールを飲む仕事終わりのサラリーマンみたい。
先輩にベイビーにたっぷりエナジーをチャージしてもらった。また明日から私もがんばろう。
帰りは雨が降ってきてしまったのでスーパには寄れず。家にあるもので鳥南蛮そばになった。