Day15 : ガツンが止まらない
Day15。
今日は学科1コマ、技能2コマの自動車学校Day。
学科の授業は朝10時から。これが第一段階10コマのうちの最後の学科授業。これからあとは技能を12時間乗り終わるまでに復習して第一段階の試験も受けなければいけないので、運転ばっかりに頭をとられてはいられない。
最後の学科授業にはまた新たなキャラの先生が登場。10人中10人は絶対に”エド・はるみ”、と言うにちがいない上品かつ破壊力がある感じの女性の先生。この自動車学校は多彩なキャラクターの講師の先生方が本当に素晴らしい。
エド・はるみ先生は、生徒のことを”みなさま”と言う。
「みなさま、ここに花マル赤線を引いていただけますでしょうか!」
「さあ、みなさまが試験で落とされるポイントはここです!」
「さあ、みなさま、この標識の意味は覚えていらっしゃるでしょうか?」
学校だけれども、サービスを提供しているという精神を忘れない素晴らしい姿勢がみえる。
また、先生自身の経験談やちょっとしたトリビアも面白おかしく放り込んでくる。
「私が担当した生徒さまの中で、最高齢は何歳だと思いますでしょうか?」
(ほう、まあ、70歳くらいか?)
「正解は、なんと御年91歳のご婦人でございます!和服でご来校されました。」
ひぇー、そりゃすごい。
「一般道の法定速度は60km/hですが、関東では特例の道路が2つあります。ご存知でいらっしゃいますでしょうか?」
(みんな横に首を振る)
「栃木県にある119号線と、408号線です。ここだけが特例で法定速度が80km/hでございます。わたくしも経験のため先日走ってまいりました。」
ほう、このトリビアは早く家に帰ってドヤ顔で旦那さんに出題したい。
最後2分ほどを残して講義内容を終了したエド・はるみ先生は、最後に生徒に質問をする。
「みなさまは、アイサイトのような自動追突回避装置のような安全機能が欲しいでしょうか?自動運転のような未来のクルマが走る時代が早く来て欲しいでしょうか?」
男性に比べてあまり運転が得意ではない女性陣はうんうん、と頷く。
「僭越ながら、わたくしのような立場から申し上げますと、自動車はやはりご自分の意思で運転していただきたいと願っております。運転が楽しいと思えるようにこの学校でみなさまに知識、技能をお教えしていくことが私どもの仕事でございます。」
エド・はるみ先生、ステキだ。感動した。私も早く運転できるようにがんばるよ。
お昼に雑用を済ませて午後からは実技が2コマだ。それにしても今日は夏みたいに暑い。日中の気温は28度。会社で働いていた時はほとんどオフィスワークだったので日中の天気や気温などどうでもいいと思っていたが、はじめて天気予報がそこそこ大事と感じる。
本日の実技1コマ目の先生は30代前半くらいの若い男性の先生。白い手袋さえしていなければ、「広告代理店で営業してます」と言っても信じるくらいの、汐留あたりに勤めていそうな企業戦士的な風貌。
私の教習記録を見ながら、「これまでで苦手だったり、難しいな、と思うところはどこですか?」と聞かれたので「停止でガツンとなる点、左カーブがうまく回れない点、自分の車線の真ん中を走れない点、この3つです。」と答えると、まずは右回り、左回りでコースを1周づつして症状を見ることに。
それぞれ1周したところで停止して、はいはいはい、という感じで先生がうなずき、「問題点がわかりました。」と言う。「整いました」みたいな風。
「停止ショックの問題は、まずは加速が十分でないからブレーキを効かせる十分な距離がなく、低速なのにさらにブレーキを踏むからガツンガツンなる。左カーブがうまく曲がれないのはハンドルを切りすぎなんですね。真ん中を走れないのはハンドルを見てるからですね。」と先生。
的確な所見。そうか、先生からは問題点はそう見えているのね。OK、わかった。
「じゃあ、これを踏まえてもう1周ずつ回ってみましょうか。」
えー!!!
問題点はわかったけど、解決方法はアドバイスくれないの?私はあなたに求めすぎ?まあそうね、子供じゃないんだから自分で考えろってことね。OK、考える考える...って、もう1周走りながら考えられるかい!初心者が考え事しながら走ったら危ないでしょ。
結局モヤモヤながら走ったので、今まで以上にブレーキはガツンガツンし、左カーブでは切ったり戻したりするのでフラフラする。さらに超低速なので私の後ろは大渋滞。先生も焦って、「後ろが詰まっちゃってるので、ちょっと動かしますよー。」と言って助手席から運転する。
結局、今回の教習課題は"発進と加速"と目標に合わせた停止だったが、どちらも消化不足のまま終了。先生もやれやれ、という顔でカルテに所見を書く。
次の実技は夕方なので、またとんぼ返りして家事と身支度をする。今日の夜は元同僚との女子会。教習所が終わり次第直行することにする。
本日2回目実技の教官はスネ夫がそのまま中年になった感じのキツネ顔のおじさま先生だ。手馴れたベテランという感じで「はいはいはい、よろしくお願いしますよ。」と乗り込んでくる。
まずは様子見のためにコースを1周する。すると「あなた遅すぎる。もっと元気良くアクセル踏んで、若いんだから。」と言われる。この時間は最終の時間だからかとにかく自動車も二輪も多い。ほとんどフルで稼働しているから左右確認のために停止していてもどんどん後続車が来るのでなかなか進めない。右がOKになると左から車がくる、よし行こうと思うと後ろから二輪が来る。その度によろよろ出かかってブレーキを踏むのでガツンとなる。先生がとなりでずっと跳ねている。「あなたブレーキはそんなに元気良く踏まなくてもいいの、食べたもの出ちゃうでしょ、もぉー。」と困った顔をしている。
この時間のほとんどは先生が「アクセルー!」「アクセルー!」ととなりで叫び、同じ数だけガツンと停止して終わってしまった。ああ不甲斐ない。
「次に進むにはもう1時間走ってからにしましょうね。もうこればっかりは慣れだからね、慣れ。」とコメントをもらい終了。カルテを見てみると、申し送り事項には”連調、H操作、目停、不十分、再”とあった。このペースだと1日2時間(コマ)走って、ようやく1つ分終了できる感じだ。
終了後は急いで学校を出て女子会に向かう。私は有給を謳歌している身なので、お店に一番乗りして仕事が終わってから来るメンバーを待たなくては。
オンタイムで一番乗りしたので、Happy Hourのスパークリングを飲みながらメンバーを待つ。
今日は退職以来はじめて職場の女子メンバーと集まった。今もみんな元気でやっているか(そんなに時間経ってないけど)、何か変わったことはないか、会社の近況や自分の近況を報告しあう。みんなそれぞれに大変なこともあったりするが変わりなくやっているようで嬉しかった。とはいえ、自分が次に働くオフィスにはこれまでの知ってるみんながいない新しい環境なんんだと思うとやっぱりさみしい。本当にみんな仕事スキルも高くて性格も楽しいステキな女性たちだ。
また帰宅が12時を回ってしまった。
楽しい夜だった。